詳解確率ロボティクス_4日目_1章章末問題その2
1章の章末問題
問題1.3
・筒井康隆や星新一のショートショートは好きでよく読んでいましたが「パチンコ必勝原理」をまだ読んだことがなかったので、せっかくなのでamazon kindleで購入して読んでみました。
・ショートショートなのでサクッと読めました。おもしろかったです。
・「パチンコ必勝原理」がいつ頃に書かれた作品なのか調べてみたところ以下のツイートによると1967年8月ごろのようです。
「中学三年コース」1967年8月 夏休み臨時増刊。筒井康隆さんの「パチンコ必勝原理」掲載。「科学朝日」掲載「大ばくち」に大幅加筆。受験雑誌に「パチンコ必勝原理」とは流石です。 pic.twitter.com/8VOawx8v4Y
— flow2005 (@flow2005yob) 2017年7月1日
・60年代のパチンコと言うと下の動画の冒頭に出てくるような手打ち式のものになります。
・私はスロット(ジャグラー)しかやったことがないので現代のパチンコすらあまりよく知りませんが、この頃のパチンコは役物に入る調整は釘の角度などを直接たたいてやっていたと聞きます。
・博士は1000円分の玉を買い、主に以下の情報について持参した測定器具を用いて調べました。
・台の状態(傾斜、釘の間隔、ばね定数など)
・玉の情報(直径、体積、重さ、密度など)
・店内の情報(明るさ、温度、湿度、気流、気圧など)
・小説ではここに載せた以上にたくさんのデータを測定し、機械式のピストンで玉を打ち出しましたが結果は。。。という結末でした。
・それではどのような情報があれば勝てたのか、3つの観点から考えてみます。
1. 測定方法の精度は担保されていたのか?
・そもそも測定方法の精度が担保されておらず、正確なデータが測定できなかった
・博士が測定方法を誤っていた(ノーベル賞受賞者とはいえ実験の現場から長年離れていたため)
・途中で食べた昼食やお茶で体調を崩して計算を誤っていた
→精度良く測定できていれば勝てた
2.計測後の時間的な変化を考慮すべきだった?
・ 測定を進めるうちに野次馬がどんどん増えたため環境が変化したことを考慮してデータを取り直すべきだった(気温や湿度の変化による台や玉の変形など)
・野次馬が増えすぎたため店が微妙に傾斜して、店が水平だという前提が崩れた(カイジがパチンコ沼編で水タンクを使ってビルを傾けた的な)
・玉を打ち続けたことで微妙に釘の角度が変化していた
→上記の影響を考慮して補正していれば勝てた
3. パチンコで勝つ人がどのようにして勝っているのか調べるべきだった?
・レバーを直線的な力の掛け方(=機械式のピストン)で弾いてはうまく入らなかった(上手い人はいい感じに指先の感覚を使っているかも)
・勝つための流れを掴む方法があった(10000円以上つぎ込めば勝てる、赤ふんどしをするなど験担ぎをすると勝てる)
→物理的な情報だけでなく、パチンコに勝つ人の情報も集めていれば勝てた
ちなみに辞めるふり作戦などオカルト必勝法はいろいろあるようですね。
・ざっと以上のように考えてみましたがどうでしょうか?
・測定精度の誤差や環境の時々刻々な変化はロボットを制御する上でも効いてきそうな要素だと思います。また験担ぎやオカルトなどもバタフライエフェクト的に実は効いているのかもしれません。